映画「犬猿」

映画「犬猿」を観ました。

 

《解説》
「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督が、それぞれに対照的な兄弟と姉妹を主人公に、どんなに反発し合っても決して離れられない、兄弟姉妹ゆえの複雑な感情が織りなす愛憎の人間模様を、ユーモアとペーソスを織り交ぜ赤裸々に描き出したコメディ・ドラマ。
主演は窪田正孝新井浩文江上敬子筧美和子

 

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知り合いのイケメン司法書士の先生からのおすすめで観てみました。

 

《観終わって感じたこと》


私には兄1人と妹1人がいます。

 

うちの場合は
性格の相違、外見の優劣、境遇の良し悪し
多少は違うもののどんぐりの背比べのような出来の兄妹。

 

それでも転勤族で幼馴染がいない私にとっては
"もっとも近い同性の他人"がまさに妹だった。兄の存在感とは全くの別なのは言うまでもない。

 

中学生くらいだろうか。

 

妹に身長を抜かれ、
妹は絶対音感を発揮し、
圧倒的にピアノが私より上手くなった。

 

妹だけ、ピアノの全国大会に生徒を輩出している先生について高額のレッスンを受けていたので
当然と言えば当然。

 

頭でわかっていながらも
妹がステージでプロが弾くような難曲を演奏する度
姉の私はなんだか惨めな気持ちになった。

 

受賞する妹を誇るべきなのに誇れない自分が尚更恥ずかしく、
自分の気持ちの良くない性格を卑下しながら
努力している妹を誇れたらどれだけ良いだろうと思っていた。

 

 

さて、自分語りはこの辺にして。

 

 

同じ血が流れて、
同じ親に育てられて、
同じ環境で成長した同性の同年代の一番身近な人。

 

妹が輝く程、
自分が陰っていく気がする。きっとまた逆も然り。

 

「俺に失敗してほしいんだろ!昔からそう思ってたんだろ!」

 

「違うよ、お兄ちゃん!」

 

この映画を象徴する、胸を刺すような言葉だと思う。

そんな想いが脳裏をかすめたことも、もしかしたらあったのかもしれない。

 

 

そしてまた、俳優さんも絶妙でした。

 

ニッチェの江上さんが面白い程にハマっていて、
これは素なのではないかと思うほど。
元は演劇の学校に通っていた方なのだそうだから、これからももっと映画館で観たいと思った。心が痛いのに笑ってしまったことって、人生で何回もあることではないと思う。

 

クズ男を演じることでは右に出る人がいない新井浩文さんも良い感じのアクが出てる(今や色々残念ではあるけれど)

 

あんまり話したらネタバレになってしまいますね。
この辺で。

 

同性の兄妹がいる人は
特に観てほしい映画です。

 

吉田監督ははじめましてだったので、
他の作品も観てみようかな。

 

⭐️⭐️⭐️⭐️